バナナラマとヴィーナスとタンホイザー

高校の頃、ブリティッシュポップアイドルのバナナラマが好きでした。ヴィーナスは古いカバーソングですが、今でも街中で耳にすることがあります。歌詞の中に「山の頂きに君臨するヴィーナス…」と言った下りがあり、永く「何で山が出てくるんだろう」と漠然と疑問を抱いていました。

正月『ヨーロッパをさすらう異形の物語 上』(サビン・バリング・グールド著・池上俊一監修 柏書房)を読んでいました。内容は、ヨーロッパ中世期の伝承についてまとめたものです。この中にヴィーナスに関する話がありました。

永年の謎がついに…

ヴィーナスの話、オペラの『タンホイザー』で描かれているんですね。山の中に異教の女神ヴィーナスの宮殿があり、日夜饗宴が繰り広げられており、タンホイザーは虜となり、7年も洞窟の宮殿で過ごす、という話です。え、それって浦島太郎!?

現世に戻り、ローマ教皇に赦しを乞うものの、すれ違いで絶望にひしがれたタンホイザーは、古巣ヴァルトブルク城を後にする…、というストーリーも、近松門左衛門の人形浄瑠璃で観た記憶があります。

バナナラマから始まり、最後近松門左衛門に行ってしまう自分の脳って…。タダの阿呆?

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この表紙がタンホイザー(John Collier 1901)
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